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脂肪肝の治療

脂肪肝の治療は、肥満や偏食など、原因になっているものを正していくことにあります。特別な病態を除いて、基本は食事・運動療法です。脂肪肝や内臓脂肪の脂肪は、皮下脂肪に比べて運動で取れやすいと言われています。

一方、肝硬変への進行がみられる脂肪肝では、より積極的な治療が必要です。もちろん、食事・運動療法は基本ですが、薬剤による治療も考えます。非アルコール性脂肪性肝炎の病態や治療については、目下学会などで盛んに議論されているところですので、肝臓専門の医師に御相談ください。

●アルコールの影響/「休肝日」ははたして必要か

アルコール性肝障害の第一段階は脂肪肝です。“1日に日本酒換算で3合以上”の常習飲酒を長期間続けると、アルコール性肝障害のリスクが高くなります。男性のおおよそ4%が常習飲酒者と言われます。「休肝日」は、このような多量飲酒を続ける習慣飲酒者にとっては、アルコール摂取の絶対量を減らすことになりますから、有効と思われます。

アルコール摂取量が3合以下の場合で、毎日飲む人とそうでない人の脂肪肝の発生率を、鹿児島県厚生連健康管理センターの人間ドック受診者で比較してみましたが、毎日飲む人の発生率が高いということはありませんでした。個々の例では有効なこともあるかと思いますが、適度の飲酒であれば、「休肝日」は必ずしも有効ではないように思われます。

一方、1日の飲酒量と脂肪肝の発生率は相関します。ところが、調べてみると、飲酒量の増加に伴ってBMI(肥満の目安)が増加することがわかりました。アルコールは食欲を刺激するため、食事量が増える可能性がありますし、お酒そのもののカロリーが影響するかもしれません。また、長時間の飲酒は、(締めにラーメンを食べるなど)食生活を不規則にします。このようにして、体重が増えているのではないでしょうか。脂肪肝が増加するのは、アルコールそのものの直接的な影響よりも、飲酒に伴う食生活の乱れこそ重大だと考えられるのです。

多くの人が禁酒や「休肝日」を指導するのは、お酒を飲みながら脂肪肝を治すことが、実は、非常に難しいからだと思います。また、「休肝日」だけを作っても必ずしも脂肪肝はよくならないことは理解しなくてはなりません。