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最近の食生活の欧米化や運動不足によって、肥満や生活習慣病が増えています。また、その肥満や生活習慣病、あるいはその前段階の状態などが重複してあると、心筋梗塞や脳卒中といった深刻な動脈硬化性疾患の発生率が飛躍的に増えてしまうことがわかってきました。このように危険因子を重複してもつような状態をメタボリック症候群といいます。脂肪肝は肝臓の細胞内に脂肪が蓄積する状態であり、メタボリック症候群の表現型、表れと言われています。

●最近、脂肪肝が注目されている理由

それには大きく二つの理由があります。
一つは、脂肪肝が増加しています。日本人では脂肪肝が、ここ10年で2倍に増えていると言われています。鹿児島県厚生連健康管理センターの人間ドック受診者でも、男性では1995年で22.2%ですが、2005年には38.5%に達しています。また、女性では1995年が12.5%、2005年では21.0%と増えています(図1)

▼脂肪肝の発生頻度の推移(図1)

もう一つは、死にいたる脂肪肝があることがわかってきました。(非アルコール性脂肪性肝炎)脂肪肝は肝臓に脂肪がたまるだけで、命に係わることはないと思われてきました。医師としても薬を使ってまで治療しようとはあまり考えなかったと思います。しかし、最近、一部の脂肪肝が肝硬変に進行し、肝細胞がんが発生することが報告されました。肝細胞がんの原因は、多くがB型とC型ウイルス性肝炎と考えられていますが、1〜2割の患者ではB型肝炎もC型肝炎も検出されません。これらの肝細胞がんの原因に脂肪肝が関係しているのではないかと考えられています。どのような脂肪肝が、肝硬変や肝がんに進行するのかなど、まだ明らかにされていない点も多いのですが、決して侮れない病気であることが認識されるようになったのです。