内視鏡手術など最新技術を駆使し、年間500例の手術に挑みます
1.診療方針
外科のスタッフは、前之原院長、西島副院長、小倉消化器外科部長他常勤医師3名(横枕医長、實医長、田辺医師)の体制で、 全員鹿児島大学腫瘍制御学教室(旧第一外科)出身です。
食道・胃・大腸・肝臓・膵臓・胆嚢などの消化器がんや、肺がん、気胸等を中心とした肺・縦隔の診療を行っています。
2.診療・検査内容
胃がんや大腸がんに対して早期がんを中心に腹腔鏡を用いた手術を行っています。進行がんでも 腹腔鏡補助下胃全摘術や腹腔鏡補助下低位前方切除など行い傷をなるべく小さくして痛みの少ない手術を行っています。
肝臓がんは手術だけでなくラジオ波治療も行っており、内科と協力し手術以外の治療を組み合わせて、 肝臓の予備力を低下させないようにしています。また肝嚢胞や肝表面に近い肝臓腫瘍は腹腔鏡下肝切除を行っています。
また診断学の進歩に伴い胆膵系の癌も増えてきて肝と胆管膵合併切除など大きな手術が増えてきています。
胆石症はできるだけ傷を小さくして患者さんの痛みの少ない腹腔鏡下胆のう摘出術(内視鏡を使った手術)をほとんどの場合行なっています。また胃癌や大腸癌でも早期であれば同じように腹腔鏡手術を行っています。
近年、消化器癌に対する化学療法が進んできており、いままでは切除不能であったような症例が新しい抗がん剤さらに分枝標的薬と呼ばれるいままでの抗がん剤と違った効果を示す薬によって手術可能なまで病巣が縮小することも稀ではなくなっています。また再発した症例でも新規化学療法により再切除可能となる例もあります。今後、手術療法を中心とした集学的治療を進めていく予定です。また、手術以外では腸閉塞や動脈閉塞症に対し高気圧酸素治療も行なっています。
呼吸器の手術においても半数以上が内視鏡(胸腔鏡)での手術が行われています。肺がんの手術では早期の肺がんで胸腔鏡を用いた胸腔鏡下肺切除手術を行っており、従来の開胸手術に比べ小さな創で行われ術後の疼痛も軽減しています。また気胸に対してはほとんどが胸腔鏡を用いた手術であり、術後2〜3日での退院が可能となりました。
化学療法については外来化学療法室が整備され、化学療法は外来治療中心に行われその体制も強化されました。また、当院呼吸器内科だけでなく、鹿児島大学医学部呼吸器内科や放射線科との連携で診断治療から手術後のフォローアップまで十分行なえる体制をとっています。
3.主な実績(2010年度)
手術例数
全身麻酔 423例
腰椎・硬膜外麻酔 4例
局所麻酔 61例
主な手術 ( )は内視鏡下手術数
食道 4例
肺 138例(86)
胃 38例(29)
小腸 2例
結腸 24例(15)
直腸・肛門 22例(7)
肝臓 52例(14)
胆嚢・胆管 37例(29)
膵臓 6例
脾臓 2例(1)
甲状腺・乳房 4例
血管 7例
虫垂 14例(10)
腹壁・ヘルニア 29例
▼医師紹介
【患者のみなさまへ】
「NCD」の外科手術・治療データベース事業に参加しています。
当院は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)の外科手術・治療情報データベース事業に参加しています。
この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんの最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。
当然のことながら、個人情報保護法に基づき個人情報が病院外で特定されることがない形で提出されますので、その点はご安心頂き、ご理解の上ご協力のほどよろしくお願いします
当事業の詳細に関しては、当事業のホームページhttp://www.ncd.or.jp/に掲載されておりますのでご参照ください。
2011年2月14日
鹿児島厚生連病院長
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