取り組みについて
実施日 |
平成19年10月20日(土)〜21日(日) |
カリキュラム |
田の神さあのお話・稲刈り体験・足踏み脱穀・ライスセンター見学・おにぎりの握り方教室・陶芸教室・クイズ大会・お米の里の昔語り
かまどでごはんを炊こう!・絵手紙教室
|
JA鹿児島県中央会では、JAにおけるモデル的食農教育プランの開発を目指し、「JAあぐりスクール」を実施しています。
田の神さあのお話
第3回は、伊佐に1泊2日で盛りだくさんの内容。子どもたちは、朝一番からバスに揺られて、大口市の平出水いなほ館に到着すると、JA伊佐女性部からカルシウム団子が振舞われました。それをおいしそうにほおばった後は、地元の郷土史家東さんより、江戸時代の貧しい農民たちが五穀豊穣の思いを込めて造ったという田の神さあを目の前にして田の神さあの話。
アンケートによれば、
「お米は一粒一粒、大切にしないと!と思いました。家でも残さないようにしています。」
「もっと調べてみたいと思いました。」
と農家が田の神さあに込めた思いに触れ、食べ物を大事にしようという心が芽生えていること、新しい知識を得て、さらに好奇心が刺激されていることがうかがわれます。
稲刈り体験
田の神さあのお話のあとは、平出水地区稲作部会長の丸田さんより、鎌を使った稲刈りの実技指導を受け、稲刈り体験。稲刈りと同時進行で、足踏み脱穀機を使った脱穀、コンバインを使った脱穀も体験しました。稲刈りのあとは、ライスセンターでもみを乾燥させ、もみがらを飛ばして玄米にする作業を見学しました。
|

「片手で根元の少し上をつかんで、鎌の向こうから根元にあてて手前に引く。力は要らないよ。」 |

昔の脱穀 |

ライスセンター |
アンケートでは、
「稲刈りは最初うまくできなかったけど、なれてくるとうまくできるようになった。」
「ぼくたちのところに届くまでにいろいろなことをすることがわかった。」
と、作業に達成感を感じている子どもや、お米が食卓に届くまでの大変さに思いを馳せている子どもが多く見られました。
おにぎり・陶芸教室&こめぞう杯クイズ大会
稲刈りのあとは、おにぎり教室。JA伊佐女性部の方の指導のもと、自分たちで握った伊佐米のおにぎりを、おいしそうにほおばっていました。
続いて、夕食の野菜カレーの野菜をきざんだあとは、陶芸教室。帝秀窯の横峯さんより指導を受け、楽しそうにオリジナル陶器を作っていました。
陶芸のあと、入浴・夕食に続いては、こめぞう杯クイズ大会。
Q.ご飯茶碗1杯分は、稲穂の約30本分である。○か×か。
A.×(50本分)
など、20問の○×クイズとボーナスゲーム「豆はすんゲーム」を、普段の班とは異なるチーム編成で競いました。子どもたちは正解発表の度におおはしゃぎ。いつもと異なる班の子どもたち同士、親睦を深めあっていました。
お米の里の昔語り
続くJA伊佐女性部や班長による余興のあとは、お米の里の昔語り。元中学校教諭の宝泉さんによる、
「大昔の伊佐は海の底だったと考えられるから、現在でも海藻由来の珪藻土がとれるんだよ。その珪藻土は、物がなかった戦後直後、チョークとして使っていたんだよ。」
という大昔の伊佐についての話や、元JA伊佐の生活指導員本田さんによる、
「昔は食べるものがなかったから、といもがらなどを乾燥させて保存食にしていたんだよ。」
という戦後の食生活についての話を、子どもたちは目をらんらんと輝かせて聞いていました。
|

宝泉さんによる昔語り |
アンケートでは、
「チョークのかわりに勉強に使っていたという石が、海藻だったと知ってびっくりした。」
「昔がどんなに厳しい生活だったかわかった。食べ物を大切にしようと思った。」
と、お年寄りの知恵に驚きを覚えたという感想や、食べ物を得ることが大変な昔に思いを馳せ、食べ物を大事にしようという感想が多く見られました。
2日目〜かまどでごはんを炊こう!・絵手紙教室
2日目の朝。子どもたちは、永正寺でJA伊佐女性部の指導のもと、かまどの火起こしを体験しました。そして、かまどで炊いたご飯・がらんつ(めざし)・朝採り野菜たっぷりのお味噌汁という、日本型食生活の朝食を摂りました。
|

火おこしを使う子どもたち
|
アンケートでは、
「かまどで炊いたご飯は、ほっぺたがおちそうでした。」
と、手間がかかったおいしさを喜ぶ感想が多く見られました。
朝食後は、絵手紙教室。小向井さんの指導のもと、子どもたちは田の神さあと稲のある風景に、両親、または感謝している人へのメッセージを添えていました。絵手紙を書いた後、子どもたちはバスに乗り込み、伊佐を後にしました。
伝統の継承
このようにJAあぐりスクールでは、世代間の交流やさまざまな体験活動を通して、子どもたちが食や農に関する伝統に触れられるよう、工夫した取り組みを行っています。
|