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日本農業新聞
平成15年9月19日 戻る
 田の神よみがえれ 鹿児島中学生、像作りに熱
 鹿児島県開聞町立開聞中学校の生徒たちが今、豊作など祈願する「田の神像」の製作に取り組んでいる。

 町の水田整備事業で立派な田んぼができたのに伴い、そこに安置し、「昔の田園風景を取り戻そう」というのが願いだ。田の神像は来年冬休み明けごろには出来上がる予定。
 
 田の神像は、南九州地方に伝わる米の豊作など祈る神様で、かつては水田などの至る所に安置され、地域住民からあがめられてきた。開聞町でも昔は水田1ヘクタールに1体の割合で存在していたが、盗まれるなどして、今では残っているのは町内で1体だけという。

 同町の田園風景は、今年6月に文化庁から「歴史的農村漁村風景百180選(古来より信仰や行楽の対象となってきた景観)」に選ばれこともあり、約150ヘクタールの水田のほ場整備(2007年度完成)の部地区が完成したの
を機に、「開聞”田の神”および土地改良施設保存会」(会長=川畑等町土地改良区理事長)が同校に協力を求めた。

 同校では、「古来からの信仰や食料生産に向き合ういい機会。また、子孫にも誇れる中学生時代の素晴らしい思い出になる」(原口英典校長)と、3年生を中心とする美術部員や吹奏楽部員、一般生徒の21人が昼食後と放課後に石に向かってハンマーをふるう日々が続いている。

 担当の幸憲彦美術教諭は「田の神にこだわらず、自分の発想で自由な像を造ってほしい」と指導し、早くも原型が出来た中村信也君(1年)は16日、「自信作になりそう」と楽しそうに作業していた。

 製作者名も彫り込まれた田の神は、来年春には田んぼに安置され、昔の景観がよみがえる。

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