鹿児島県では19日、今後の円滑な新規就農者の確保に向けた「新規就農支援システム推進会議」
(”財”県農業後継者育成基金協会・県主催)が吹上町の県立農業大学校で2日間の日程で始まった。初日は事例発表などを聞き、分科会で意見を出し合った。
同県の新規就農者は、県内外の就農相談活動や”かごしま営農塾”の開催、助成金や就農支援資金の貸し付け、市町村などでの研修施設の設置およびファームサラリーの支給などで、1990年度を底に年々増加し、2001年以降は300人を超えた。
しかし、地域や市町村によってはその確保は難しい状況にあり、今後一層の支援体制の強化が求められている。
そこで、今年5月に農大に「新規就農支援センター」が設置されたのを機会に、支援の取り組みや確保・育成の課題などを相互検討し、円滑な新規就農者確保を図るための初の会議で、市町村やJA、農業公社、農業改良普及センターなどから約90人が出席した。
まず、新規就農総合支援システムの概要や新規就農者の確保状況、新規就農支援センターの概要の説明の後、2人が事例発表。
新規参入者の鮫島洋子さん(溝辺町・ユリ農家)は支援について「元気な中高年がたくさんおり、資金提供の年齢を上げてほしいことと、自己資金で就農した人に運転資金を」など要望、津曲正見志布志町農林水産課主幹は「町農業公社では、研修中も含む48人のうち28人が就農、10人がリタイヤした」ことなどを話した。
分科会は4班に分かれ、「新規就農者を確保し、円滑に定着させるためにはどのような取り組みが必要か」がテーマ。うち、”定着しやすい環境づくり”では就農支援対策として、農地の取得助成や支給、貸与関係などで意見を出し合った。
二日目は、全体会や吹上町農業公社などで現地検討も行う。
|
|