高齢になってしまったら骨は弱くなり、それは仕方ないことだと思っている人もいるかもしれません。いくつからでも「食事」と「運動」で「骨粗しょう症」を防ぐことができます。
食事での予防で一番重要なことは、きちんとカルシウムを摂取することです。カルシウムは体の細胞に不可欠なミネラルですが、体内でつくることができないため消費した分だけ体の外からとる必要があります。しかもカルシウムは吸収しにくいので、吸収しやすい形で効率よくとることが大切です。
健康でつよい骨を維持するために決められた日本人に必要なカルシウム量は、1日当たり600mg(成人の場合)です。しかし日本人の平均取得量はこの数値を満たしていません。所要量が取れないのは、欧米に比較して乳製品をあまり取らない傾向にあるためです。日本人の食生活はカルシウムをとりにくい傾向にあることを自覚し、意識してカルシウムをとる必要があります。
カルシウムを多く含む食品はたくさんありますが、いくらたくさんとっても、実際に体内に吸収される量は半分以下に減ってしまします。最も吸収のよい牛乳などの乳製品でも、約50%しか吸収されません。小魚やわかめなどの海産物ではもっと吸収率はおちてしまします。
ビタミンDやビタミンK、酢などにはカルシウムの吸収と骨形成を助ける作用があります。そのため、カルシウムを多く含む食品を、ビタミンDを多く含む「きのこ類、いわしなどの青魚」、ビタミンKを多く含む「納豆などの豆類や緑黄色野菜」と一緒にとると、吸収率が高まり骨形成も高まります。
反対にとりすぎることでカルシウムの吸収を妨げるのが、「リン」や「アルコール」です。リンは食品添加物として、インスタントラーメンや清涼飲料水などに含まれています。このような食品は食べ過ぎないようにし、カルシウムの吸収を妨げないようにしましょう。