「かぜ」は、よくかかりやすく最も身近なポピュラーな病気です。ひとくちに「かぜ」といっても、鼻かぜ、のどかぜなど、いろんなタイプがあり、のどや鼻、器官などの呼吸器に、急性の炎症を伴う病気を、「かぜ症候群」と総称します。
かぜ症候群は、ウイルス類や細菌などに感染して発症します。「かぜは万病のもと」といわれます。これは、かぜをひくといろいろ病気にかかりやすいという意味ではなく、「かぜと似た症状を示す病気がいろいろある」という意味です。かぜと紛らわしい病気には、「肺結核、胸膜炎、肺がん、急性腎盂炎、膠原病、細菌性肺炎」などがあります。症状が強かったり、1週間以上続く、症状がだんだんひどくなるといった場合は、できるだけ早く受診し、重大な病気を見逃さないようにしましょう。
かぜがうつるのは、主にかぜの患者さんの「せきやくしゃみ」が原因です。せきやくしゃみと一緒に、かぜの病原体が飛び散り、それを周囲の人が吸い込んでしまうのです。また、くしゃみなどのしぶきが、鼻や口、目の粘膜から吸収されたり、手についた病原体が、口や鼻などから体内に侵入する場合もあります。
かぜの予防法として心がけたいことは次のようなことです。
- 室内を適温・適湿に保つ
室温は22℃前後、湿度は50〜70%に保つのがベストです。冬は室内が乾燥しがちなので、加湿器などで室温を保つようにしましょう。
- 部屋を換気する
室内に病原体の含まれた空気がよどまないよう、時々窓を開けて、きれいな空気をいれましょう。
- 人ごみを避ける
かぜに感染した人には、できるだけ近寄らないようにします。
- うがい・手洗いをする
手やのどには病原体が付着している可能性があります。外出から帰ったら、こまめに行ないましょう。
- 栄養・休息を十分取る
体力をつけて防御機能が低下しないようにしましょう。
- 規則正しい生活を送る
生活が乱れていると、体力が低下します。
- 厚着をしない
厚着をしすぎて汗をかくと、体が冷えてかぜをひきやすくなります。室内では薄着を心がけ、汗をかいたら必ず拭くようにしましょう。