入浴には、体を温めたり、清潔にするなどのさまざまな意味があります。それ以外にも健康づくりに役立つ効果があります。
- 疲れをとる。
入浴すると水圧やお湯の温度などの効果によって血行がよくなり、新陳代謝が活発になります。筋肉の新陳代謝が高まれば、「疲労物質」の排泄が促進され、疲れが取れ筋肉のこりや痛みもやわらいできます。
- 尿が出やすくなる。
入浴により、排尿を促すホルモンの分泌が促され、尿が出やすくなります。そのため、体内の老廃物が排泄されやすくなります。
- 血圧を下げる。
ぬるめのお湯につかるようにしていると、高血圧の人は、普段の血圧が下がるようになります
- 精神的、身体的な緊張をほぐす。
神経の働きが活発になり、緊張がほぐれて、快い眠りが得られます。水圧や湯の温度、浮力などの効果により、身体的な心地よさが得られます。
しかし、その一方で、多くの人が入浴に伴う事故で亡くなっています。入浴による死亡事故には、65歳以上のお年寄りに多く、11月から3月にかけての冬場の時期に多いという特徴があります。
入浴による死亡の原因には、入浴に伴って起きる血圧の変動が関係しています。その要因となるのが、温度の変化です。冬の脱衣室や浴室は寒いので、衣服を脱ぐと、その寒さに反応して、抹消血管が収縮し血圧が上昇します。また、42度くらいの熱いお湯に入ると交感神経が緊張して、さらに血圧が上昇します。血圧が急に上昇すると、血管がその圧力に耐えられず、血管が破れることがあります。また、熱いお湯につかっていると汗をかくため、血液中の水分が少なくなり、血液の粘度が増して血流が悪くなります入浴に伴う事故を防ぐには、血圧の変動を抑える必要があります。次回、体にやさしい入浴法をお伝えします。