「みずき、明日もみすりをするから手伝いなさいね。」
と、お父さんが言いました。
わたしの家は、家族で一年簡に食べるお米を作っています。だから、春は田うえをして、夏にいねかりをします。その時はわたしやお姉ちゃんも手伝いをしています。田うえの時はあまり暑くもなく、寒くもないのでいいですが、いねかりの時は夏の暑い時期なので、とても大変です。
わたしは登下校の時、自分の家の田んぼの横を通るので、三月にうえたみどりのなえが、一学期の終わるころには、黄金色のいなほに変わっていくのをいつも見ることができます。四ヵ月の間にどんどん成長して、すがたが変わっていくのを見ながら帰るのがとても楽しみです。
いねかりをしたお米をとうみというきかいに入れると、お米がとうみの中を通り、大き目の米と小さ目の米に分かれて出てきます。よけいなゴミや中身がスカスカで実になっていないお米もとりのぞいてくれます。大きい方はお姉ちゃんが、小さい方をわたしが米ぶくろに入れました。朝早くから手伝いを始めたのですが、どんどん暑くなってきて、あせがダラダラ流れおちてきました。
とちゅうで、お母さんが冷たい麦茶を持ってきてくれたので、それを一気に飲みました。とってもおいしかったです。お父さんが、
「一年間のお米だよ、がんばれ。」
と言うので、いっしょうけんめいがんばりました。大きな米ぶくろがいくつかできて、それがズラリとならべられました。
「お姉ちゃんや、みずきたちはここまででいいよ。」
と、お父さんが言いました。その後に、
「みんながんばったから、いねかりが全部すんだら夕ごはん食べにつれていってあげるからね。」
と、言いました。わたしは、とてもうれしくなりました。
みんなで手伝った作業は大変だったけれど、わたしたちが食べるご飯になるので、手伝いができてよかったと思います。たいた新米は、ピカピカに光ってもちもちしておいしいものです。
お父さんが、コンバインとか動かせるうちは米作りもできるけど、年をとってしまったらどうなるかなあと思います。わたしには、男の兄弟もいないし、お父さんもさびしそうです。せっかく早期米で有名な金峰町に住んでいるのだから、しょう来、米作りだけでも、お姉ちゃんとわたしでやっていけたら、お父さんもお母さんもよろこんでくれるかなあと思います。
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